留学先の選び方

執筆者
伊澤 大介
留学先
Gurdon Institute, University of Cambridge, United of Kingdom

東京大学分子細胞生物学研究所、染色体動態研究分野(渡邊嘉典教授)で助教をしている伊澤といいます。イギリスのケンブリッジ大学ゴードン研究所に8年半留学していました。

留学先を決める際には、博士課程で研究していた遺伝子がヒト細胞ではもっと複雑な制御が行われている事を知りその研究をしたいと思い、培養細胞を中心に関連分野の研究を行っている研究室を選びました。E-mailで希望の研究室に連絡を取りました。連絡が帰って来た研究室から面接に来て下さいと言われ、渡英。インタビュー後、最初は自分でフェローシップをとることを要求されたので、日本学術振興会 海外特別研究員の採用決定後に正式に決まりました。

研究室に入ってから他のポスドク候補が面接に来たときに何を重視しているかは、1)これまでの研究成果発表が分かりやすいか、2)今後やりたい研究についてどの程度アイディアがあるか、3)研究室の人とのコミュニケーションです。特に3)の点を気にする研究室主宰者(PI)は多いです。留学前でも研究の話なら英語でできると思うので、研究内容でも研究室のことでも、どんどん分からないことは聞いた方がいいです。自分の場合、面接のときにあまり質問できなかったので、ラボの人たちとのコミュニケーションは大丈夫だろうかと心配されていたと後で聞きました。ただ、質問されたときに分からない事は分からないと言いましょう。知っているふりをして、相手にこの人は分かっていないと思われる事がもっとも悪印象です。

英語に関しては、口に出して話す練習をもっとしておくべきであったと感じます。英語を話す機会がほとんどない場合でも、ラジオ英会話の放送を追うように話す練習をしたら、効果がありました。日本人の英語の特徴の1つとして、文章の最後の方で音量が下がってゴニョゴニョされる傾向があるので、その点は気をつけた方がいいと思います。非常に分かりにくいそうです。ゆっくりでもはっきり話した方が好印象です。

留学先を選ぶにあたって重要な点は、自分が求める研究スタイルと留学先のボスの研究タイプが一致しているかどうかだと思います。放任タイプでも良い研究ができる研究者が、常にボスに指示が降ってくるトップダウン型の研究室に留学したりすると、両者の間で折り合いがつかなくなることもあると聞きます。

今の先生や留学している先輩、もしくは留学先にいる日本人研究者などから情報を仕入れておく事は大切だと感じます。

最後に異国の地で研究する事は、研究面ばかりではなく日本では味わえない色々な経験ができ新たな価値観も形成されるので、さらに一皮むける良い機会だと思います。

2015/08/19

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執筆者紹介
2006年、東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻を修了し、博士を取得。2006年から2015年、イギリスのケンブリッジ大学に留学。同年2月より、東京大学分子細胞生物学研究所に助教として赴任。
編集者
中川草
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