家族視点の留学体験記〜夫婦でアメリカに留学して

執筆者
池田 香織
留学先
Cincinnati Children’s Hospital Medical Center(アメリカ)

夫が留学の話を切り出してきたのは、渡米約1年前の分子生物学会の期間中でした。学会参加中の夫から「面白そうな研究をしている先生を見つけた、シンシナティに行きたい」、とまず電話で伝えられました。当時は、お恥ずかしながらシンシナティがアメリカのどこに位置しているのかも知りませんでしたが、私も留学をしたいという想いを秘めていたため、今回の留学の話は、お互いにとって良い機会でありました。

その後、夫の雇用の話は順調に進み、夫と息子と3人でシンシナティへ渡ることとなりました。しかし、家族一緒に渡米するにあたり、問題がありました。当時博士課程3年であった私は学術論文掲載、学位取得を渡米までに達成しなければならなかったのです。また、学位取得後も働きたいと考えていましたので、私の就職先も考える必要がありました。シンシナティ近辺でラボを探してみると、以前から興味があった「疾患と低分子RNA」をテーマとしているラボがありました。早速そのラボのPIにメールをしてみましたが、そのラボ(現在のラボ)は当時研究員の募集を行っておらず、日本からフェローシップを持ってくることが雇用の条件でした。結果的にはフェローシップをいただくことができましたが、それが決まるまで心の休まる日はありませんでした。また、学位を取得できるかどうかも心配な要素でしたが、こちらも留学までに間に合わせることができました。

留学してからも心配事は尽きませんでしたが、その中で特に息子のことが心配でした。渡米時に2歳、イヤイヤ期真っ盛りです。生後3ヶ月から託児所に入っていたので、デイケアでの集団生活には問題はないと思っていましたが、新しい環境、しかも言葉が通じなくて、最初はとても大変でした。はじめの1週間は送迎の際に涙を流していてとても心配しましたが、次の週には泣かなくなり、4ヶ月経った今は、英語で数を数えたり、ABCの歌を楽しそうに歌ったり、デイケアの生活にだいぶ慣れてきたようで、安心すると同時に子どもの適応力には本当に驚かされます。

留学先で生活を始めた今、振り返ってみると、留学準備を行う上で良かったと思うことの1つに、シンシナティに下見に来たことが挙げられます。下見に来た段階でアパートメントを決定し、デイケアの目処をつけました。その際、留学先のラボでプレゼンテーションを行いましたが、ボスやラボメイトと話すことで安心しましたし、何より留学先機関に訪れることにより、モチベーションが格段にアップしました。また、下見でシンシナティに滞在している期間に、我々とすれ違いで日本に帰国する方を運良く紹介してもらうことができ、後日ムービングセールでお安く家具を譲ってもらえることになりました。また、シンシナティ在住の方々を紹介していただいたこともとても助かりました。渡米の日に空港まで迎えに来てくれたラボメイトや、新生活の立ち上げをサポートしてくれた方々は今ではすっかり仲良しです。

まだまだ留学生活は始まったばかり。この先のアメリカ生活がどのようになるのかはわかりませんが、充実した研究生活、そして私生活を送れるよう、頑張って行きたく思っています。

2015/09/17

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編集後記
池田香織さんには、旦那様の池田幸樹さんとともにご寄稿いただきました。ご夫婦ともに研究者ということで、 パートナーが留学先を決めた後どのようにしてご自身の受け入れ先を決められたかが 読みやすく描かれています。
これからパートナー・家族とともに留学される方、特に研究者夫妻で留学を考えている方に是非とも読んでいただければと思います。
編集者
小藤香織
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