Tomorrow is another day.

執筆者
池田 幸樹
留学先
University of Cincinnati(アメリカ)

私は、妻と息子の3人でアメリカ・オハイオ州シンシナティに留学し、妻もまた同時に研究生活をしております。海外での研究に興味が出たのは渡米の1年と3ヶ月前になります。その時、10ヶ月になったばかりの息子は妻の付き添いの下、病院に入院しておりました。一方、私は某学会にて非常に興味深い分野に出会い、今のボスと熱いディスカッションをさせていただき、海外でポストを募集している旨を知り、興味があるとその場でお伝え致しました。その学会中に海外での研究機会について考えるようになりました。その気持ちを大事にしたいと思って、学会から帰るとすぐに病院に赴き、妻にその話をした際に一緒にアメリカに行って欲しいことを伝えたところ、一言、「いいよ」と言われました。妻はその時、博士課程の最終学年におりましたので、それからの妻は八面六臂の大活躍で見事、論文を提出し、博士号を取得しました。さらには、海外留学のグラントも勝ち取りました。私たち夫婦がここ、シンシナティにて揃って研究が出来ているのは特に私には言うこともなく、ただ妻や家族に支えられてのことなのです。逆に言えば、自分一人でというのは烏滸がましく、全ての出会いと機会にただ感謝する以外にありません。

私は早くもアメリカに来て4ヶ月ほどが経ちましたが、伝えられるものと言えば、アメリカ生活を始める前の幾ばくかの注意事項とみなさんご心配であられる食事情くらいのものでしょう。皆さん口を揃えておっしゃる通り、まず大切なのは金銭関係でしょうか。生活を省みますとアメリカ生活はいくら全米でも暮らしやすいと言われるオハイオ州・シンシナティといえども、月に最低$3,000(家族3人、うち家賃$1,005)はかかっております。つまり、家賃の高い西海岸や東海岸ではさらに費用が嵩むことは容易に想像できます。また、気をつけなければいけないことは給料です。私の場合、雇用契約で伝えられた金額のうち、1/3ほどはTax(最初の2年は︎翌年に全額が還ってきます)やRetirement plan(年金のようなもので、退職時に還ってきます)というものにかかりますので、満額をすぐさまに受け取ることはできないのです。そのため、余裕を持った貯蓄やアメリカでの生活設計をしておくことをお勧めいたします。

一方で、一番危惧しておりました食については、ことオハイオに限って言えば、魚以外は非常に美味しいです。お米も日本と遜色ない味ですし、野菜もお肉も毎日美味しいです。外食について言えば、食事の質は日本に比べて落ちると思いますが、なんといってもロケーションが素晴らしいレストランは数多くあり、素敵な音楽と美味しいお酒とともに夕日を楽しむ週末をとても心待ちに生活しております。また、その手軽さからBBQの閾値が非常に低いので、日本では全くしなかった私もすっかりBBQの達人です。
さて、2ヶ月もしますと日本食が恋しくもなるシーズンの到来です。そんな時には日本食を取り扱っているスーパーに行きましょう。納豆、豆腐、ウナギ、秋刀魚、ラーメン、牛丼、たこ焼き、讃岐うどん、カレー、おでん、せんべい、駄菓子、などどれも近所の日本食取り扱いスーパーで日本の有名企業のものが1.5倍〜2倍くらいの値段で手に入ります。日本においても逆に海外の製品を扱っているスーパーがあると思います。あれと全く同じです。味は賛否ありますが、懐郷病にはとてもよく効くものばかりです。最近では、何か送って欲しいものはあるか、と親族に聞かれても、はて、何が欲しいのだろうか、としばらく考えてしまうほどです。唯一やはり気をつけておりますのは野菜摂取量の低下でして、それを補うために、毎朝手作りの野菜ジュースを作り、家族みんなで飲むように心がけているくらいのものです。

また、幼いお子様がいらっしゃる方は子供のデイケア施設に不安を抱えている方もいらっしゃると思います。私たちのデイケア費用をはっきり言いますと、$180/week(食事込み)と比較的安い方であると他の方より聞き及んでおります。このデイケア施設に週5日、朝7:00から夕方5:45頃まで預かっていただいているわけです。息子が2歳になるとほぼ同時に渡米いたしましたが、私たちも同じく様々な不安で一杯でした。息子は、デイケアに預け始めた最初の1週間、預ける別れ際に笑顔で力強く手を振り、私たちがドアを閉めるまでは決して泣きませんでした。そしてドアを閉めた後、途端に大きな泣き声が聞こえ、それを振り切って仕事に行くのがとても辛く感じました。しかし今となっては、ラテンミュージックを聞いてダンスを踊り、持っている物をうっかり落としてしまったら、「オッオー♪」と言うほどの順応力をまざまざと見せ付けられ、息子にはいつも勇気付けられている次第です。
さて留学を前にされている方は生活面でも研究面でも心配事が尽きないかと思います。皆様の留学は想像以上に大変になる、と自身の少ない経験から私は確信しております。が、その中で「ええいなんとか楽しんでやろう」、という気持ちを強くいつまでも持てたらいいな、と渡米4ヶ月過ぎて私は心に願うばかりです。それでは皆様の渡来(Try!)をここ、シンシナティよりお待ちしております。

2015/09/17

関連タグ
留学前ドキドキ編
留学中編,
家族・パートナーと留学編, ,
編集後記
池田幸樹さんには、奥様の池田香織さんとともにご寄稿いただきました。
生活面でのアドバイスがふんだんに盛り込まれていて、留学しようか悩んでいる方、そして留学を決めたものの生活面での情報不足を心配されている方に是非とも読んでもらいたい内容になっています。
編集者
小藤香織
UJAでは留学体験記を執筆して下さる方を随時募集しております。ご興味のある方は、UJA留学体験記編集部までお気軽にご連絡下さい。留学体験記 編集部: findingourway@uja-info.org